劇場版で終焉するドラマ「MOZU」のスタイリッシュな世界

MOZU」は、TBSとWOWOWが共同で制作したドラマで、原作は逢坂剛さんの小説「百舌の叫ぶ夜(1986年)」と「幻の翼(1988年)」。リアルに謎の多い警察組織・公安警察と殺し屋の”百舌“、そしてそれに絡む様々な事件やミステリーを描いた刑事ドラマです。主演は倉木尚武を演じる西島秀俊さんで、他にも香川照之さん、真木よう子さん、小日向文世さん、伊藤淳史さん、池松壮亮さん、そして劇場版ではビートたけしさんなど超豪華メンバーが出演しています。

刑事ドラマでありながらホラーな描写が多く、しかしそれでいてスタイリッシュな映像美。シーン全てに独特のこだわりが感じられ、これまでの日本ドラマになかったような、衝撃的と言っていいほどのクオリティの高さです。でも内容が内容だけに、万人受けするようなドラマではないでしょう。

Season1 百舌の叫ぶ夜(全10話)」と「Season2 幻の翼(全5話)」がTBS系地上波やWOWOWプライムで放送され、そして2015年11月7日に公開された「劇場版MOZU」にて物語は一応完結のようです。

ドラマ版「MOZU」の動画

基本的にストーリーが連続しているため、シーズン2を観るならシーズン1を観てからのほうが楽しめますし、劇場版においては、ドラマを観てからでないと意味がよくわからない部分があるかも。ちなみにYouTubeの「MOZU.TV」というチャンネルから、ドラマ版、映画版それぞれのダイジェストなどが観られます。

ドラマ「MOZU Season1 百舌の叫ぶ夜」

突如、東京・銀座の繁華街で起きた爆発事件。これにより最愛の妻・千尋を亡くした、警視庁公安部特務第一課捜査官・倉木尚武は、事件の真実を求め独り捜査に乗り出す。

刑事部の熱血漢・大杉良太や、謎多き公安捜査官・明星美希も加わるなか、浮かび上がってきたのは、大企業アテナセキュリティのシニアドバイザー・東和夫と、”百舌“と呼ばれるプロの殺し屋の存在だった…。

ドラマ「MOZU Season2 幻の翼」

かつて倉木尚武の妻・千尋は、公安の精鋭部隊として、グラークα作戦と称される極秘潜入捜査に参加していたという。未だ深い闇の真相を掴み切れずにいた倉木は、その謎の作戦の真実を追う。

やがて、その手掛かりを握っているのは、ロシアのスパイであるイワン・タイラーという人物だと突き止めるも、しかしその名は、決して触れてはならない亡霊の名だと恐れられていた…。

映画「劇場版MOZU」

テロリスト集団による高層ビルでの強盗事件、ペナム大使館襲撃事件により、新たな惨劇が幕を開ける。首謀者は、権藤剛という殺し屋で、百舌を模倣しアイスピックを武器としていた。

誘拐された明星と大杉の娘の居所を探るうち、舞台はペナム共和国へ。

夢で見たら精神を病むと噂の”ダルマ“とは?
そして倉木大杉明星たちの運命は?

投げナイフの達人にして犯罪プランナー・高柳隆市、本性を現した狂気の犯罪エージェント・東和夫、そして2人の百舌も登場し、ペナム共和国が地獄の業火に包まれる…。

個人的な感想

ドラマはそんなに見ないのですが、MOZUについては、たまたまシーズン1の第一話を観たら、まるで映画のような迫力で衝撃を感じたのを覚えています。もともとホラーやサスペンスものが好きで、これまでにもいろいろな映画を観てきましたが、それらと比べても全然ハイクオリティだと思いましたね。

特にすごかったのはシーズン1の中盤あたり。とある殺し屋と殺人鬼が壮絶な死闘を繰り広げるわけですが、アクションが鬼気迫る迫力でリアル且つスタイリッシュ。今時のテレビでよくこれを放送できたなとも思いましたw

シーズン2は、あの人物がいなくなってしまったことでちょっとつまらなくなってしまいましたが、劇場版MOZUは間違いなく面白かったですね。邦画とは思えない、迫力と緊迫感。バトルもかっこよかったです。ただ、詰め込み過ぎているというか、本来はもっと時間をかけてストーリーを展開させたかったんじゃないのかなとも感じました。

続編は、なさそうなありそうな雰囲気で終わりになりましたが、どうなんでしょうね。

MOZUシリーズで衝撃だったのがもう一つ。東和夫というキャラです。下の動画で名ゼリフのひとつを見られますが、こんなキャラクターは今まで観た映画にも一切いなかったですねwこの独特のユーモアは日本人にしか思いつかないと思いますw